政府の方針と企業の実情との狭間で、まだまだ当たり前には申請しづらい男性の育児休業。
これから赤ちゃんを迎える家庭でも取得を迷っている方がいると思います。
我々のケースが少しでも背中を押せたらと思い、取得までの振り返りと現状をお話します。
夫婦で相談
生後まもない赤ちゃんとお産が終わったばかりのママを誰が助けるか。妊娠がわかり安定期に入った頃、夫婦で話し合いました。
可能性としては次のいずれかだと思います。
- 実家に戻り、実母に協力を求める。
- 実母もしくは義母、その他第三者に来てもらい、協力してもらう。
- ワンオペ
- パパが育児休業を取得し、夫婦二人で育児・家事に取り組む。
- 家事代行やベビーシッターを雇う
私は、パパと一緒に育児休業を取得し、二人で育児・家事を行うのが希望でした。
ふたりの子供だからふたりで育児をするのが当然と考えました。
パパは普段「企業も変わっていかなくてはならない」「働き方も変えていかなくちゃいけない」が口癖ですが、この頃はしばらく考え込む時期が続きました。
パパ個人としては、育児休業を取得して自分もママと同じだけ育児に関わりたいと希望してくれていました。
ですがパパが勤める会社は中小企業で、男性の育児休業取得は社内で前例がありません。
どう受け止められるか、法律で守られているとはいえ復帰後に自分の居場所は残っているのか、と不安だったそうです。
期間は?
取得する期間も話し合いました。候補にあがったのが、次の4通りです。
- 取得するとなれば1例目なので仕事に影響がでないであろう期間、1~2週間。
- ママが産後安静にする目安としていわれる床上げ(産後21日)が過ぎるまでの1か月。
- 赤ちゃんが生活になれてくるまでの期間、3か月。
- ママと一緒に、1年。
会社に申し出
パパは時間をかけて考え、申請することを決めてくれました。
希望は3か月ですが、反応によっては1か月にするかもしれないと言っていました。
パパはすぐに上司に申し出るのではなく、まず同僚に伝え反応を伺うことにしました。
表立って反対する人はおらず、同世代や若手社員は「いいんじゃない」「応援するよ」という前向きな反応だったそうです。
“男性は働いてお給料を運んでくるのが仕事”が当たり前だった昭和世代の方々も、時代の変化に理解を示してくれたそうです。
まわりの肯定的な反応に背中を押され、数日後パパは会社に育児休業希望の旨申し出ました。
結果は…、上司から「よくぞ申し出てくれた」「誰かが申し出てくれるのを待っていた」と返事が返ってきたそうです。
会社としても、従業員の離職を減らす為にも今後の優秀な人材確保の為にも、男性の育児休業取得の実績を作っておきたかったようです。
休業期間はこちらの希望“3か月”を認めてくれて、復帰後も同じ席もしくは同等のポジションに戻れるようにすると書面で約束してくれました。
生まれた今
我々の赤ちゃんには先天性の疾患があります。
お腹にいるときに判明しました。
病気の程度は生まれて精密な検査をしなければわからないとのことでした。
もしかしたらママと一緒に退院できるかもしれないし、産後1か月くらい病院で過ごすことになるかもしれないと言われていました。
私たちは育児休業取得について相談する際、“育児休業を取っても赤ちゃんがいない”パターンも考える必要がありました。
でもこれに対してパパは迷いなく、「パパの役割は、育児・家事だけではない。産後のママのメンタルや体調面を支えるのが男性の育児休業のいちばん大きな仕事だ。赤ちゃんがすぐに退院できないとしても自分は子供が産まれた日から育児休業を取る。」と言っていました。
育児休業を開始してからもうすぐ2か月が経とうとしています。
我々の赤ちゃんはまだ病院にいます。
我々は毎日片道1時間かけて面会に行っています。
一見すると、育児をしていない育児休業に映りそうですが、育児の仕方は100人いたら100通りあると思います。
毎日面会に通う、これが今の私たちにできる育児です。
私は赤ちゃんに母乳を届ける為、毎日3時間おきに搾乳をしています。
産後かつ寝不足の体でひとりで運転して病院に通うのは不可能だったと思います。
また、2度目の手術が必要との知らせを受けた時も隣にはパパがいてくれました。
ひとりで受け止めるにはショックが大きい知らせでした。
パパが育児休業を取得してくれて本当に良かったと感じています。
先日パパに「会社に戻った時に以前までの席はないかもしれない。不安かい?」と聞いてみました。
パパは「違う席でもいいじゃない」「なんでもやるよ」と言っていました。
確かにそうです。違うポジションでもいいじゃない。
男性の育児休業取得のメリット
- 夫婦の絆が深まる
- 家事・育児を協力・分担できる
- 同僚が後に続きやすくなる
理解ある職場のおかげで、我々の絆は深まったと感じています。また、2人で育児を分担できれば、産後のママが孤独に疲労困憊することもありません。そして、これからお子様を持つ職場の男性職員が育児休業を取得する際のハードルを下げることが出来たと思います。
お仕事内容や組織の規模によってどうしても難しい場合があると思います。
我々は選択しませんでしたが、自分たちは稼いで家事代行やベビーシッターを雇うというのも、これからはメジャーな選択肢のひとつになってくるのだろうと感じています。
多種多様な家族の形があるので、どれを選択したら夫婦の絆が深まるか、を基準に相談できたら素敵だなと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事が取得を検討中のご家庭の参考になれば、幸いです。
\ パパの育休関連記事はこちら♪ /
コメント