【北海道の自然】第二の苔の洞門/入渓からたった20分で苔ワールドの別世界へ!楓沢 苔の回廊へのアクセス方法と必要装備紹介

楓沢/苔の回廊

北海道の玄関口、千歳市(ちとせし) 支笏湖(しこつこ)の観光名所のひとつ「苔の洞門」をご存知ですか?

風不死岳(ふっぷしだけ)の裾野にある深い緑色の苔に覆われた回廊状の渓谷で、一時期観光地として人気を集めました。

しかし、過去の自然災害により、渓谷の岩盤が崩落する危険性があるとのことで、長年入渓が禁止されたままとなっています。

その「苔の洞門」に代わる “第二の苔の洞門” として発見され、近年登山者や写真愛好家たちから通称「苔の回廊」と呼ばれ人気を集めているのが、同じく風不死岳の楓沢(かえでさわ)です。

今回は、苔の壁に覆われた楓沢の魅力を、アクセス方法や観光に必要な装備などを交えつつ、紹介します♪

 

基本情報

千歳市と苫小牧市(とまこまいし)の境に、標高1,041mの活火山 樽前山(たるまえさん)、その隣には標高1,103mの風不死岳が並んでそびえています。

飛行機が新千歳空港に離陸・着陸する際に、空から見たことがある方も多いのではないでしょうか?

この樽前山が、今からおよそ350年前の1,667年に大噴火をおこしました。

樽前山 火口

降灰は苫小牧で1~2m、十勝平野~道東にまで達したそうです。

そして、風不死岳の北側山麓にも沢山の溶岩流が流れ込みました。

支笏湖をはさんで望む風不死岳

この溶岩流が固まり、長い時間をかけて風や雨水などの自然の営力によって削られ、苔が自生した渓谷が「苔の洞門」や「苔の回廊」です。

 

アクセス

楓沢への入り口までは、公共の交通機関はありませんので、車でのアクセスとなります。

また、楓沢 “苔の回廊”は “苔の洞門”とは違い、観光地化されていません。

よって、入場ゲートや専用の駐車場はありません。

 

入渓ポイント

国道453号線の支笏湖沿いに、“紋別橋” という小さな橋がかかっており、この橋の下がまさに楓沢です。

橋には、“紋別橋”の標識のほかに、“楓沢”の看板もかかっています。

紋別橋の脇にひとの踏み跡があり、ここから楓沢に降りていくことができます。

 

駐車ポイント

この紋別橋付近には、駐車可能なスペースがありません。

離れた駐車場所から紋別橋まで歩いて移動することになります。

この記事では3か所の駐車スポットを紹介します。

位置関係はこんな感じです。

それぞれ見ていきましょう。

 

① 風不死岳 北尾根登山口

まず紹介するのが、風不死岳の北尾根登山口駐車場です。

楓沢から風不死岳北尾根を周遊する登山者は、ここに駐車してスタート地点となる紋別橋まで歩いて移動します。

広い駐車スペースなので安心して駐車できますが、風不死岳 北尾根登山口から紋別橋までは1.6㎞、およそ20分の道のりです。

そして、国道453号線の風不死岳側には路側帯しかありません。

道路を渡って支笏湖側の歩道を歩いて、紋別橋に向かいましょう。

いかがなものかと思いますが、信号がなく車やトラックがかなりの速度で走ってきますので、十分注意して渡るようにして下さい。

 

② モラップキャンプ場 駐車場

次に紹介するのが、モラップキャンプ場の駐車場です。

こちらは、紋別橋までさらに遠く1.9㎞、およそ30分の道のりです。

キャンプサイト専用駐車場と一般駐車場があり、一般駐車場はキャンプサイトを利用しない人でも自由に駐車することが可能です。

50台ほど駐車可能な広々とした駐車場です。

一般駐車場

キャンプ場手前にトイレがあるので、どこに駐車するとしても駐車スポットに到着する前に利用したいですね。

トイレは比較的きれいで、トイレットペーパーも設置されていました。

 

③ 大沢橋 横

最後に紹介するのが、大沢橋の横です。

紋別橋から650m西に “大沢橋” という橋がかかっており、この橋の西側に風不死岳に向かって細い脇道があります。

この脇道に入って30mほど奥に、車止めのゲートと、その横に2台ほど駐車可能なスペースがあります。

山での緊急時用に車両が入って行く為の道路で、通常はゲートが閉じられています。

利用する際は、絶対にゲートの前に車がかからないように余裕をもって駐車しましょう。

広いスペースではありませんので、早いもの勝ちです。

駐車できない場合は、風不死岳 北尾根登山口を利用しましょう。

 

入渓から苔の回廊まで

紋別橋から楓沢に下りると、すぐに倒木がお出迎えです。

くぐり抜けても良いですが、よく見ると横に巻き道があります。

この後も数本の倒木が道を塞いでいますが、くぐり抜けづらい倒木の場合は必ず巻き道があるので、左右を見渡してみて下さい。

 

また、進んでいくと脇道が左右に1か所ずつ現れます。

脇道にそれず、低くなっている沢地形をまっすぐ進みましょう。

歩みを進めると、少しずつ道幅が狭くなり、左右に苔が現れ始めます。

入渓から15~20分ほどで、苔の回廊に到着です。

 

苔の回廊

苔の壁と、足元は真っ平な砂地です。

なんとも不思議な光景です。

歩みを進めると、左右の壁がどんどん高く、道幅もどんどん狭くなっていきます。

この付近は “第一回廊” と呼ばれ、特別な登山技術や装備がなくても、訪れることが出来ます。

壁の高さは高いところで10mほどです。

あっという間に、深い緑色の苔の世界に包まれました。

大部分の壁は、動物の毛のようなふわふわで少しごわごわした苔で覆われています。

雨が降ったあとに訪れると、雨水を吸った苔がさらに生き生きとしているんだと思います。

約80種類以上の苔が自生しているそうですよ。

第一回廊は、回廊正面に大きな岩が現れて、行き止まりとなります。

目で見て、手でモフモフを感じ、ゆっくり苔を愛でたら、来た道を戻りましょう。

 

装備

第一回廊まででしたら、特別な装備は要りません。

【 楓沢 “苔の回廊” への装備 】

  • スニーカー
  • 熊よけ
  • 飲み水
  • 日よけ
  • 防寒具
  • 虫除け

 

■ スニーカー

足元は平坦な砂地ですので、登山靴を持っていない方はスニーカーで大丈夫です。

訪れる前数日の天候が雨でなければ、汚れる心配もないと思います。

 

■ 熊よけ

北海道の山にはヒグマが住んでいます。

遭遇する確率は低いですが、リスクを少しでも下げるために、北海道の山に足を踏み入れる際は熊鈴を鳴らしながら歩き、自分達の存在を伝えましょう。

鈴の音を聞いた熊は、人が通り過ぎるのを身を潜めて待ってくれます。

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■ 飲み水/日よけ

苔の回廊に着けば、木々が日差しを遮り風が沢を通り抜けるので涼しいですが、到着までは沢幅が広く日陰がありません。

飲み水と強い日差しから身を守る帽子を用意しましょう。

 

■ 防寒具

山では突然の天候悪化がつきものなので、雨風で体を冷やさないように、レインウェアのような防寒具を必ず持つようにして下さい。

 

■ 虫除け

沢地形ですが水は流れていないので、刺すような虫は多くないと感じました。

ですが、季節やその日の天候によって状況はわかりませんので、ゆっくり苔ワールドを楽しむためにも、恰好は長袖、長ズボンがおすすめです。

虫除けスプレーや蚊取り線香もあると、より安心だと思います。

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まとめ

いかがでしたか?

今回は、今も閉鎖が続く観光地 “苔の洞門” にかわる苔の渓谷 楓沢の“苔の回廊” を紹介しました。

観光地化していないのでアクセスは多少不便ですが、この別世界に歩いて20分で行けるのは、嬉しいですね。

気になった方は、ぜひ足を運んでみて下さいね♪♪

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